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馬木不動尊は日本三大不動明王の一つとして知られている。「雲陽誌」には、日本史に残る僧侶であった行基の彫刻と記してある。一説によると「出雲国風土記」に記載されている朝山郷の新造院ということである。
副住職 土井裕翔
当山が所属している日蓮宗には様々な修行機関があります。その中でも最も過酷な修行が、毎年11月1日から2月10日までの100日間、千葉県市川市の中山法華経寺にある「大荒行堂」においておこなわれている「大荒行」であります。日蓮宗ではこの「大荒行」を体験した僧侶でなければ、信者さんに対して御祈祷をおこなってはならないことになっています。
私は今から5年前の平成14年に初めて「大荒行堂」に入り、平成15年に多くの方々の支えがあって無事出行することが出来ましたが、この度、再び、「大荒行堂」に入る決意を致しました。
「大荒行堂」は、なかなか言葉では言い表すことの出来ない世界でありますが、この根幹は、読経三昧と1日7回の水行です。(当山の初不動にお参りをされ、水行をご覧になられたことがある方はご存知のことと思いますが、その時の水行を1回と数えて「大荒行堂」では、午前3時・6時・9時・正午・15時・18時・23時の1日7回水行を致します。)食事はお粥と味噌汁を朝と夕の2度のみで、睡眠時間は2時間半程度です。すなわち、起きている時間のほとんどが、読経と水行の時間にあたり、テレビ・ラジオ・新聞等の娯楽の全くない環境で、寒さ・飢え・睡眠不足・足の痛み等に耐えながら行う修行です。
当山にはご存知のように不動明王が鎮座しておられ、宗派に関係なく様々な方々がお参りをされています。そして、その方々に対して、家内安全・身体健全・当病平癒・徐厄退散・交通安全等の御祈祷を致しております。冒頭のところで、日蓮宗では「大荒行」を体験しなければ御祈祷を行うことが出来ないという決まりになっているということを述べました。5年前の初めての「大荒行堂」に入る時は、御祈祷によって多くの人々を救いたいという気持ちも当然ありましたが、それと同時に、当山の後を継ぐという意味で行かなければらならない修行場でもありました。今回の「大荒行堂」入行は、行かなければならないという義務的なものは全くありませんが、読経と水行を通して皆様方の現在世・未来世に亘る所願成就、そして、当山の更なる発展を祈願していきたいと強く思ったことによります。
現在、日本は少子化であり、それに伴って人口は減少していくことになります。そうなると、近い将来、当山も信者会員・参拝者の減少が予想されます。更に、当山は檀家さんの数が多いいわゆる檀家寺ではありません。檀家さんは家の宗教でありますから、比較的、次の世代への信仰の相続というものがスムーズに進んでいくものと思われますが、信者さんというのは個人の信仰という面が強いので、信仰の相続がスムーズに進みにくいものと思われます。そのようなことから、皆様方の所願成就、当山の更なる発展を「大荒行堂」の中で一心に祈ってこようと決意致した次第であります。「大荒行」入行を一つの契機と致しまして、当山に対して今まで通りのお力添えと、不動明王と結ばれた偶然ではなく、お導きよる必然的な縁をより一層大切にして頂ければと思っております。当山に縁のある方々のため、当山のために一生懸命修行に精進し、無事に帰ってきたいと思っております。
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